市民タイムス創刊50周年記念企画
小平彩見木版画展 ーはじまりの種からー

2021年11月26日(金)~12月5日(日)
市民タイムス安曇野支社 山光ホール
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ご挨拶

2004年安曇野での初個展「はじまりのたね」から17年、2011年家族で移住してから10年、
安曇野で蒔かれた「はじまりのたね」は、芽を出し葉を伸ばし、少しづつ育ってきました。
振り返れば、繰り返し同じテーマで制作していることに気づきます。
風、空、雲、星、山、種、鳥………私の作品に「自然」が多く出てくるのは、安曇野で暮らしている事と無縁ではないでしょう。安曇野の大きな空や雲、北アルプスの山々は、私の創作活動にとってかけがえのないものです。

今回の展示はテーマを5つに分け、これまでの制作活動を振り返り、新たな表現の可能性を見出せるような展示にしたいと思っています。
また、これまで応援し続けて頂いた方々へ感謝すると共に、初めて作品を見た方にも「木版画」というものに興味を持ち、心に何かの「きっかけ」を作って頂けるような展示にしたいと思っています。

1)はじまりのたね


「はじまりのたねⅠ」

「はじまりのたね」は、私の制作テーマの一つです。版画を始めてから何度も同じテーマで制作してます。
「版画」という表現の面白さに気づいてから、私の心に「はじまりのたね」が蒔かれました。

下絵を反転、彫刻刀で彫りバレンで擦る….。
面倒とも思えるこの過程の中でこそ、より新しいもの、より自分らしい表現に出会えるような気がしました。

種から芽が出て、大きく成長することを願って。

2)遠い記憶の風景


「星の花束を」

日々の生活の中で、ふと懐かしい風景に出会うことがあります。それは誰もが持っている遠い記憶の大切なたからもの。

いつもは忘れてしまうのだけど、時折そっと取り出してみてまた大切にしまうもの。

3)HOMEー帰る場所


「百葉誕生」

安曇野へ移住して10年。安曇野の四季を感じながら、子育して制作して生活する。
安曇野は私にとっても大切な「HOME」となりました。

そしてこれから巣立っていく子供たちにとっても「HOME」となりますように…。

4)本と物語と私


「病院の子どもたち」より

「本」という形の中での表現は、ページをめくる事で、物語を先へ先へと押し進めます。
そして見る人と同じ時間を共有することができます。

より深く自分の表現したい世界へ誘いたい、
そんな想いです。

5)旅への扉


「月を探す旅2020」

良い作品との出会いはとても重要です。
また良い作品には必ずその旅への扉がついています。その扉を開けると奥行きのある世界が広がり、無限のイメージ、数々のストーリー、それに何と言っても、素敵な音楽が聞こえてくるのです。

私はずっと、そんな作品が作りたいと思いながら制作しています。